ライブ感という生モノ

こんばんは

年末のお忙しいところ来ちゃった。
遊方便りです。

いや、ホント「こんな時に」ですが、とりあたっては遅まきながら独演会の御礼をば。

ご来場、まことに有り難うございました。
今回、本調子でない声でなんとか乗り切れたのも本当にお客さまの暖かい雰囲気のおかげと心より感謝するばかりです。
おかげさまでええ会にしていただきました。

さて、この「独演会」というのは何でしょうね。
たかだか二席演っただけなのに、今年も何かしらの収穫があり、たいへんに有意義でした。

演目的には例えば『寝床』
途中、実際に浄瑠璃を語る演出は客側の想像を邪魔してしまうかもと何度も迷いましたが、「お祭りやから」とやってみたところこれが意外と違和感なく、これやったら今度はもっと有名な浄瑠璃、『壷坂霊験記』などに変えて演ろうかな、なんて思う結果となりました。

また、独演会以降続く東京の会、山形でのひとり会でも『寝床』を口演、その間、必要な言葉や要らない台詞の足し引き算もしながら手直しをして、ブラッシュアップされていく過程も気持ちよかったものでした。

そして『重貞夢(ジュテーム)』
こちらは遊びに来てた林家染雀師から
「島原では確かに芸は売っても身は売らんという言葉はあっても、遊女は遊女ではないか」
との問題提起があり、ああやこうやと論争した結果、出された染雀案が実に納得のいく展開。奥行きも深みも加わって改善されました。

いやあ〜持つべきものは仲間やなあと思いましたよ。
さっそく書き換えました。早くどこかで演りたい!
次回の『重貞夢』、要チェックしておいてくださいね。

こんなふうにネタもチューンアップされ、メンタル面では毎度モチベーションがアップする、これが独演会。
いっときサボっていた期間がありましたけど、やっぱり必要な晴れ舞台やねんなあと再認識。
今回、特に思いました。

ところで落語というのは生き物やなあとつくづく思います。
机上のアイデアもライブによって構築されてゆくし、舞台にかけるからこそ登場人物に血が通うし意思も生まれる。
さらにその人物がときに思いもよらないことを言って客席を沸かし、演者のぼくを驚かせることがあります。
そしてこの瞬間が最高のエクスタスィー。
落語に息吹を感じ、意思疎通出来たと思う際です。

落語『寝床』の中に
「芸事というのはこちらが演りましょう、あちらが聴きましょうと双方気持ちが合わさった時ええ芸ができますのんじゃ」
という言葉がありますが、ほんにそのとおり。
会場全体に一体感が生まれたときに噺が動く。
その「聴きましょう」という雰囲気を作るのも演者側なんやないかなと思います。

落語は「話芸」である前に「空間芸」。空気を操るのも芸のうち。
あ、でもこれは落語以外でも舞台に立つすべてのジャンルに言えることかも知れませんけどね。
容易いことではないですが、客席とひとつになるのはとてつもなく快感です。それを追い求めて日々頑張ってるのやと思います。少なくともお客さんに「ちゃうねん!」って言い訳しなくていいように、それだけはないように…(笑)

てなわけで、少しでも多くのゴキゲンな高座を目指しつつ、今回も落語会のご案内。
オススメ3点のピックアップです。

あ、せやせや、その前に言うとかな。
この届いたメルマガには画像添付はされてません。
画像付きで見るにはサイトの「ブログ」欄からご覧ください。
そんな理由で極端に隙間が空いてたりします。
それはここに画像が載ってるため。
なんしか「遊方便り」は「ブログ」と連動してるということを今後ご承知おきください。

ではまずこちら、今年最後のイベントです

【ROS〜ROCK’N OWARAI SHOW〜】

12月30日(月)18:30開演(17:30開場)
BEGGAR’S BANQUET(地下鉄四ツ橋線「本町」駅21出口より徒歩5分)

音楽とお笑いのごった煮的なイベントで、落語は遊方作の長講『ベガーズバンケット』です。

「会場名と一緒のこのタイトルはローリング・ストーンズのアルバム名。
直訳すると「乞食たちの宴会」
でも僕の落語のほうはおこもさんやなくてホームレスが主人公。
ホームレスがひょんなことからバンドを組むというあり得ないストーリーを、途中演奏入りで楽しんでいただきます。
落語の中の曲はこの噺に合わせて作詞作曲した
『路上の輩(やから)』という遊方オリジナル。

滅多にやることのない、というか、やれない噺なので、よろしければこの機会にぜひ聴きにきてください。

他にはナオユキのスタンダップ・コメディ
露の新幸&桂りょうばの音曲漫才(コンビ名はテレスコボーイズ)
そして遊方ヴォーカルでバンド演奏も!
5曲くらいかな、ストーンズナンバーももちろん歌いますよ。
なんといっても凄腕のプロベーシスト・小笠原義弘氏のプレイは必見必聴です!
乞うご期待!です。

料金は3500円(ドリンク別)
ご予約はこちらから
https://business.formmailer.jp/fms/a7fdd37a264044

なんかアドレス難しいすね。
ぼくのサイトにメールくださっても受け付けることにします。
よろしくお願いいたします。
https://yuho-tsukitei.com/event/ros-%e3%80%9crockn-owarai-show%e3%80%9c

そして年が明けてからは

【ロン毛・トーク・ファニー】

お馴染みの桂雀喜くんとの会です。

1月8日(土)19:00開演(18:30開場)
ツギハギ荘(地下鉄「南森町」駅より徒歩10分 / 大阪市北区天神橋1-8-15)

遊方、雀喜、新作落語1席ずつと、お客さんのアンケートを題材に喋るこたつトークの愉快な会です。

今回ぼくのネタは『シバイたった』
「できらく」という会でネタおろしして以来の再演。
とっても馬鹿馬鹿しい噺です。

こたつトークはお正月らしく黒紋付で登場します。

なんか笑けるお部屋遊び的な、他にはない落語会です。
ご予約は下記のURL、桂雀喜くんのホームページ内のフォームからお願いいたします。
https://r.goope.jp/marumarupanda/reservation/event/detail/27793

https://yuho-tsukitei.com/event/%e7%ac%ac27%e5%9b%9e-%e3%83%ad%e3%83%b3%e6%af%9b%e3%83%bb%e3%83%88%e3%83%bc%e3%82%af%e3%83%bb%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%80%9c%e5%8f%a4%e6%b0%91%e5%ae%b6%e3%81%a7%e6%96%b0%e4%bd%9c-2

そしてそして定例の研鑽会

【百年長屋・遊方基地 #5】

1月16日(木)19:00開演(18:30開場)
百年長屋(JR「森ノ宮」「玉造」から徒歩6〜7分 / 大阪市東成区中道3-2-28)

年明け1発目の古典は『つぼ算』
瀬戸物屋さんが苦しみに苦しむ様が見どころです。
細かなくすぐりもたっぷりなカジュアル古典!
最近ぼくも演ってて楽しい演目です。

もう1席の新作落語のほうはまだ決めてませんが、できるだけ笑いどころの多い噺を蔵出しします。
ゲストの林家染左さんのシュアな高座とトークもお楽しみに!
これで2000円は安い!
と、いつもお値段以上を心がけてやってます。
是非是非お越しくださいませ。

ご予約は京升堂
075-279-2868
kyoushoudou@hotmail.com
もしくは下記URL・予約フォームからでも承ります。
https://business.form-mailer.jp/fms/ddd1ae29261902

https://yuho-tsukitei.com/event/%e7%99%be%e5%b9%b4%e9%95%b7%e5%b1%8b%e3%83%bb%e9%81%8a%e6%96%b9%e5%9f%ba%e5%9c%b0-5

以上、今回はこんなところでしょうか。
他にも繁昌亭の「新春特別公演」やら、国立文楽劇場の「演芸特選会」やら、いろいろございますが、それらはこちらのスケジュール欄をご覧ください。

https://yuho-tsukitei.com/event

てなところで、いろいろお待ちしております。

さて明日、明後日はクリスマスですね。
この2日だけは日本ではほんま景気がよぉなりますなあ。
どのホテルも通常の倍以上に値段上がるのにそれでもどこも満室って、どないやねんな。
またこの二日間は天気も良くて気温も少し暖か目やっちぃますやん。街はどこも賑わうなやろうなあ(いや経済が潤うことはええことなんですけどね)

どうか皆さま、インフルエンザには気をつけて。
一日早めのHappy Christmas!

BGMはセックス・ピストルズ
『アナーキー・イン・ザ・UK』

Good Rock!